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ベーカリー店におけるカスタマージャーニーの展開方法:お客様の興味を惹くためのヒント
カスタマージャーニーを改善するための6Rルール
6Rルールとは
6Rルールとは、小売業のマーチャンダイジングに特化した手法で、適切な店舗設計に役立ちます。「R」とは「Right(適切な)」の頭文字で、6Rルールは以下の6つのRから構成されています。
- 適切な商品
- 適切な配置
- 適切な量
- 適切なタイミング
- 適切な価格
- 適切な情報
6Rルールをベーカリー店のマーチャンダイジングに適用する方法
6Rルールを適用するには、選択肢、品質、顧客サービス、コストパフォーマンスの面でお客様が何を期待するのかを、お客様の立場で考える必要があります。
適切な商品 とは、ビジネスにとって最適な商品のことを指します。職人気質のベーカリー店であっても、焼き菓子が主力商品でない場合は、商品の幅を広げる必要があるかもしれません。さまざまな種類のパンや焼き菓子を提供することをお勧めします。腕のいいパティシエが作るケーキがおいしいと評判のベーカリー店なら、ケーキを主力商品としてアピールしてみましょう。
適切な配置 とは、提供する商品に適した配置のことを指します。ベーカリー店では、パン、焼き菓子、製菓、チョコレート菓子、スナックなどを販売することになります。そのため、こうした商品を求めるすべてのお客様にとって、利用しやすい配置にする必要があります。カスタマーエクスペリエンスにとって最も重要なのは、インテリアデザインです。店内に入ったお客様が、「どこにどんな商品があるのかよくわからない」と感じるようなデザインは避ける必要があります。店内に入ったお客様は、最初に右方向に行く傾向があります。この傾向に合わせて、店の入口でアピールする商品や(手作りのパンや焼き菓子など)、レジ前でアピールする商品(お店独自のお菓子や人気の商品など)を検討するのが効果的です。
適切な量については、改めて説明するまでもないでしょう。ベーカリー店を訪れるお客様は、早朝は焼き菓子やパン、ランチタイムはスナックやデザート、午後は軽いお菓子、夕方は夕食用のパンなどを購入します。こうしたお客様の消費習慣に合わせて、商品の量を調整する必要があります。夕方に店を訪れるお客様のために、夕食用のパンが売り切れにならないように量を調整することが重要です。
適切な量は、適切な量とセットで考える必要があります。たとえば焼き菓子の場合、一日の時間帯だけでなく、季節的な要素にも強く結びついています。クリスマスにはジンジャーブレッドクッキー、イースターにはチョコレート菓子、感謝祭にはパンプキンパイなど、季節に合わせた商品を提供するのは当然のことです。お客様が期待する商品を提供することが重要です。お客様が期待する季節の商品を提供しなかったために売上を逃してしまうのは、ビジネスにとって大きな損失になります。
適切な価格 を判断するのは、難しい場合があります。競合店の価格を調べることも重要です。適切な価格であれば、お客様が満足するだけでなく、原材料費をカバーして利益を出すことができます。ただし、お客様が納得して支払う金額を超えないように、注意して価格を設定する必要があります。
最後は適切な情報 ですが、これも重要な要素です。商品だけでなく、その商品の位置付けにも関係してきます。お客様の判断を促すための情報を提供するだけでなく、商品に含まれている アレルギー物質 に関する情報など、法律で規定されている情報も提供する必要があります。不正確な情報やわかりにくい情報の場合、お客様の判断に時間がかかり、店内での待ち時間にも影響し、お客様の満足度も低下しますが、 正確な情報をわかりやすい形で提供すれば 、こうしたことを防ぐことができます。
お客様の興味を惹いて満足度を上げる
ビジネスにとっての6Rが決まれば、良好なカスタマージャーニーの基盤が完成したことになります。あとは、以下の要素を考慮しながら、店舗内で6Rルールを実践するだけです。
魅力的な店頭
通行人の目を惹くような店頭にすることが重要です。特に、高品質の手作り商品を販売する場合は、魅力的なウィンドウディスプレイによって売上が大きく違ってきます。ベーカリー店の店頭を魅力的なものにするには、いくつかの方法があります。
- サイネージと店舗の内装を目立たせる
- ウィンドウに直接配置して商品をアピールする
- パン職人が仕事をしているキッチンが見えるようにする
いずれの方法であっても、お店のコンセプト全体を店頭に反映させることが重要です。また、季節や提供する商品に合わせて、店頭のコンセプトを変えることも検討する必要があります。特に、ハロウィン、クリスマス、イースターなどのホリデーシーズンの場合は、これが重要になります。通行人の興味を惹き、足を止めて見てもらうことができれば、その人が店内に入って商品を購入する可能性が高くなります。
「ドラマチック」というコンセプト
ベーカリー店を訪れたお客様は、ほぼ間違いなく商品を購入します。あとは、そのお客様が予定している以上の出費をどのようにして引き出すかを検討するだけです。そのために重要になるのが、「ドラマチック」というコンセプトです。大げさに感じるかもしれませんが、そんなことはありません。ブランドコンセプトや主力商品を演出し、競合店との違いをアピールする必要があります。
- 統一された色調の家具や統一されたプライスカード を使用することにより、ウィンドウからインテリアまで、一貫したベーカリー店のブランドイメージを高めることができます。「小麦粉」「手作り」「自家製」というキーワードを使用するだけでなく、「プロフェッショナルなベーカリー店」ということをアピールする必要があります。
- 焼き菓子は品質の高い商品です。パンであれ焼き菓子であれ、お客様の食欲をそそるものでなければなりません。清潔感があり、食欲をそそる陳列にする必要があります。たとえば焼き菓子の場合、重ねて並べるよりも、一列に並べた方が効果的です。
- 可能であれば、キッチンで働くパン職人の技術の高さをアピールしてください。お客様は、商品がどのように作られているのかを見たいと考えています。
直感的なレイアウト
店舗の規模にもよりますが、一度に10人くらいのお客様が入店する場合があります。そのため、入り口、出口、レジ待ちの場所など、商品を購入しやすい直感的なレイアウトにする必要があります。また、お客様が入店時には購入するつもりがなかった商品についてもアピールできるようなレイアウトが必要になります。これは、6Rルールの「適切な配置」の一例です。
ここで、店舗が「ホットゾーン」と「コールドゾーン」という2つの売り場に分かれていて、お客様がそれらの売り場を通る場合について考えてみましょう。
- ホットゾーンとは、商品が最も目立つ場所のことです。ホットゾーンには、利益率の高い商品や衝動買いを誘う商品(食欲をそそる焼き菓子や、チョコレート菓子やパンなどの持ち帰り商品)を陳列する必要があります。
- コールドゾーンとは、バゲットなど単品で販売される商品を陳列する場所のことです。お客様が新しい視点で商品を見ることができるように、コールドゾーンに陳列する商品にときどき変化をつけるようにしてください。
これらの点に注意すれば、お客様がすべての商品を検討できるようになります。
店内にイートインスペースがある場合は、わかりやすい看板などを使用して、お客様にアピールしてください。
ユニークなおもてなし
地域住民を対象としたビジネスでは、商品だけでなく人間的な側面も重要です。店舗スタッフからのお勧め情報や、キッチンから出てきたパン職人との気軽な会話など、ベーカリー店にはお客様と交流するためのさまざまな機会があります。誇りを持って商品を提供することにより、お客様が安心感を覚えて信頼感が高まります。そして、レジでのフレンドリーな対応により、お客様の買い物を締めくくる必要があります。たとえ数分間という短い時間であっても、お客様に店内での時間を楽しんでいただくことが重要です。どんなに素晴らしい商品を提供しても、店内でのサービスが悪ければ、だれもお店に来なくなります。
詳細情報:現在のベーカリー店が直面する5つの課題に関する記事を確認
ベーカリー店が成功を収めるための鍵はラベリング
魅力的なラベリングのメリットとは
これまでに説明したさまざまな要素と比べると、ラベリングはあまり重要な要素ではないと感じるかもしれません。しかし、「適切な情報」がカスタマージャーニーに不可欠な要素であることを考えれば、商品とサービスのラベリングは、ベーカリーブランドをアピールするための重要なツールであることは間違いありません。
魅力的でデザイン性の高いラベリングを採用すると、以下のような効果があります。
- さまざまな商品と陳列場所のラベリングを調和させることにより、プロフェッショナルな外観を演出することができます。
- お客様の購買意欲を高めるための正確でわかりやすい情報(名称、成分、アレルギー物質や、「オーガニック」/「ビーガン」/「無糖」など)を提供することにより、専門性をアピールすることができます。
- 新商品や日替わり商品などをラベルに記載することにより(「本日限り」「新商品」「特選品」など)、お勧め商品をお客様にアピールすることができます。これには、お客様の衝動買いを誘うという目的があります。
以下に示す項目を調和させることにより、ブランドイメージをさらに高めることができます。
- 店舗のサイネージ
- 販促物(ポスター、チラシ、名刺)
- プライスカード
- 店舗をアピールするための各種コミュニケーションチャネル
ベーカリー店用プライスカードの選び方
以下のような各種条件を満たしているプライスカードを選ぶ必要があります。
- 形式が商品のサイズやレイアウトに適していること:たとえば、特定のラベル形式を使用することが法律で規定されている食品があります 。食品以外の商品についても、その大きさに応じてラベルのサイズを変更できるプライスカードを選ぶ必要があります。
- 強度が高いこと:頻繁に使用しても、折り目がついたり破れたりしないような強度が必要です。
- 耐湿性が高いこと:紙のプライスカードにとって水分は大敵です。ポリ塩化ビニルなどの素材は不透過性であるため、こうした素材で作られたプライスカードを鮮魚店や乳製品店などのような湿気の多い場所で使用しても、劣化することはありません。
- 表面が滑らかで平らであること:日常業務を軽減するには、耐湿性が高いだけでなく、メンテナンスしやすいということも条件になります。簡単にメンテナンスできるように、隙間やミシン目などの凹凸があるプライスカードは避けてください。
- 簡単に配置できること:適切なホルダーを使用して簡単に配置できる、店内の雰囲気に合ったプライスカードを選ぶ必要があります。そのため、適切なラベルとホルダーを組み合わせることが重要です。
こうしたさまざまな条件を満たすソリューションが、Edikio Price Tag です。Edikio Price Tagは、プロフェッショナルなベーカリー店用に設計されたオールインワンソリューションです。パーソナライズされた魅力的なプライスカードの作成と印刷を自分で行うことができます。
使用例:ベーカリー/サンドイッチの国際的チェーン店を展開するBaker & Cook社の事例
ベーカリーとサンドイッチのチェーン店を運営するBaker & Cook社は、シンガポール、マレーシア、フィリピン、サウジアラビアに展開されている17超の店舗で Edikio Price Tag Access ソリューションを導入しています。同社がこのソリューションを採用した理由は、以下のとおりです。
- マットなブラック地に白いフォントで印刷されたカードはデザイン性が高く、店内のプロフェッショナルな雰囲気に調和している
- さまざまな用途に合わせてプライスカードを簡単にカスタマイズできる
- お客様に対して、さまざまな情報をわかりやすく提供できる(原材料やアレルギー物質に関する情報など)